クリスの狙撃の際の銃声は、廃村内の別の場所にいた倉本達の耳にも届いていた。

「倉本さん」

巽が倉本の顔を見る。

「今のは89式小銃の発砲音だ…クリスや進藤も無事のようだな」

頷く倉本。

「私にはどの銃声も同じにしか聞こえないわ…どういう耳してるの、貴方達」

美奈が半ば呆れた顔をする。

「場数を踏んでないと判別なんてできないさ」

軽口を叩く巽。

ともかく、銃声のした方向へ。

倉本達は移動を開始した。