そんな彼に。

「クリスさん!」

進藤は半ば怒鳴りように呼び掛ける。

「銃声がしているんですよっ?倉本さんか、巽さんか…誰かが襲われているんじゃ…!」

「分かっている」

進藤と違い、クリスは落ち着き払っていた。

銃声がした以上、倉本と巽のどちらかが襲われているのは言われなくても分かっている。

だが彼らは優秀な警察官だ。

日本に来て短い付き合いでしかないクリスだが、彼らの有能さは短期間で理解していた。