過去に誰かか住んでいた廃村。

それが倉本と美奈の導き出した結論だった。

「君の言っていた、都市伝説の犬吠村とやらかもな」

「住んでいたのは外部との交流を一切拒み、自給自足の生活をしている村人じゃなく、バスソルトの中毒者だけどね」

倉本の言葉に溜息をつく美奈。

何にしても、ここら一帯が中毒者の縄張りである事ははっきりした。

倉本はショットガンのスラッグ弾の残弾を確認する。

…然程多くはない。

こんな事態を想定していなかった為、余分には持ってこなかったのだ。