もう使えそうなものを探す為に部屋の中を探索…などと悠長な事は言っていられない。

美奈はマンションの階段を一気に駆け降りる!

遠くの方で、唸り声とも呻き声ともつかない男の声が聞こえた。

ヤバい、追ってきている!

(誰か、誰か!)

涙をこぼし、呼吸を荒くして、気が狂いそうなほどの恐怖を抱えて走る美奈。

殺される。

このままでは殺されてしまう!

「誰かっ、助っ…!」

堪らず助けを求める声を上げようとしたその時だった。

「!?」

壁の死角から大きな手が伸び、美奈の口を塞ぐ!