歌舞伎町を赤々と染める炎。

屋上から見下ろすと、逃げ惑う人達と共に、彼らを追いかける者の姿も見えた。

意味不明な発言を繰り返し、ある者は素手で、ある者は鈍器や刃物を持って通行人を追い回し、捕まえ、押し倒し、その身に食らいつく。

狂気の沙汰としか思えない。

まるで地獄絵図。

人間が人間を食う、阿鼻叫喚の場。

そんな場所に、一人取り残されてしまった美奈。