屋上に辿り着き、美奈は外に出る。

風が吹き、彼女の長い黒髪が掻き乱される。

それを撫でつけながら、屋上の手摺りの所まで歩く。

歌舞伎町は不夜城だ。

深夜とて明かりが絶える事はない。

常にネオンが光り輝き、昼間の如き明るさを保っている。

しかし、今夜はいつも以上に明るかった。

「……なに…これ……?」

美奈は思わず、呟いてしまう。