本当の“好き”が欲しい

「あと、弁当もらってないんだけど?」

「んー!!ちょっとコッチ来て!」

廊下で冷たい視線をあびながら端のほうへ行った

「裕太!朝言ったこと覚えてる?絶対秘密って!」

「秘密にしてるじゃん。同居してるなんて一言も言ってない」

「そーいうことじゃなくて」

「で、弁当は?」

「朝お母さんに貰わなかった?」

「貰ってねーし。」

「じゃーお母さんクセで間違えたんだ」

「じゃーさ、お前の弁当くれ」

「やだ」

「やだ、じゃねーよ!この裕太様がお前の弁当食べてやるっつってんだよ!」

「断る」

「はっ?!」

「裕太が好きな子なんて他にもいるじゃん!その子たちに貰えばいいじゃん」

「ちっ!」


急ぎ足で裕太は去っていった