「ねぇ、何食べる?あ、あっちで金魚掬いもやってる!」 「少し落ち着けよ…ほら」 目の前に出された手に戸惑っていると、篤希に手を掴まれた。 「篤希…?」 「お前、すぐ迷子になりそうだし」 その時、私は篤希と出会った事を幸福に感じた。 気を緩めれば涙が溢れそうな、そんな幸せ。