「うわっ雨じゃん」
まぁ、もう梅雨だしね。あすかは部活だし…ひとりでダッシュか…ん?
「にゃー」
「なっ(かっかわいい!)」
足下にねこ。げきかわ。やばい。
「どうしたのー?迷子かな…」
とりあえず抱きかかえる。少し濡れていた。
「先生にでもあずけるか…」
立ち上がろうとしたとき…
「すみませーん!」
後ろから声がした。とりあえず振り返る。そこには、顔の整った、美形な男子がたっていた。彼は明るい口調で、
「ごめん、そのねこ。ウチの部活のねこなんだ」
と言う。それまた美声で。
「あっそうでしたか。」なんとなく先輩っぽいので敬語。
「ありがとう!」
先輩っぽい人は明るい笑顔でねこを受け取る。
「名前、なんて言うんですか?」
「あっ、一年A組沖田すばるです!」
……。
「えっと、ねこの。」 「あっすみませんっ」 彼は少し照れた口調だった。というか、一年生だったのか。
「えっと、柳原さんです。」
すごい名前だな。
「…私は一年B組の藍植ららです。」
「ららさん、か。よろしくねー」
なれなれしいな。ちょっと顔がいいから真面目系だと思ったのに。
「えーと。沖田さんでしたっけ。何部なんですか?」
「すばるで良いよー」 本当になれなれしいな。こいつ。
「僕は『動物研究会』っていうとこに入ってるんですよー」