ーコンコンッ
お母さんが部屋に入ってきたのは、そんな時だった。
お母さんは、ベッドでうずくまった私の横に座って、ただ話しだした。
「あのね、空。
空っていう名前はね、お父さんとお母さんが“雨が降っても、嵐がきても、また晴れる空のように、どんなに辛いことや、どんなに苦しいことがあっても、また立ち上がって、前へ進んで欲しい”っていう願いを込めてつけた名前なのよ。」
そういって、お母さんはそっと…でもぎゅっと、私をだきしめて。
「…だから、どんなに辛くても、苦しくても、また立ち上がらないと。
前にすすまないと。
瑞樹くんも、そう望んでるんじゃないかな?」
そういって、最後に頭をぽんぽんと撫でて、お母さんはでていった。