私の腕の中で思う存分泣いた彼はすっと顔をあげて

「わりぃ」

と言ってあとは無言で立ち上がって、でていった。


ほんと数分のできこどだったのか。
それとも、何時間もたっていたのか。

それすらもわからなかった。


ただ、私の胸に残ったのは、彼を…瑞樹を知りたい。と思う気持ちだけだった。