そう言って俺のことを見てくる空に俺は何も言えなかった。

きれいだ。って思った。



空は辛くて泣いてたんだ。

こんなこと、失礼かもしれないけど。


「…きれいだ。」

ほんとにそう思ったんだ。



「え?」

「いや、なんでもない。

わがままなんかじゃない。

もしそれがわがままなんだとしても、お前は子供なんだから。

親にくらい、わがままいってもいんじゃないか?」


俺はそういって、立ち上がって、屋上からでようとした。



「まって。」

透き通った声だった。

「東谷くんは?
東谷くんは、何におびえてるの?」

すっと心に直接響く声だった。

「何をそんなに、辛そうにしてるの?」

今日はじめてはなしたようなやつに、はなすようなことじゃないのはわかってた。

だけど、なぜだかこいつには話したいっておもったんだ。