…なんだこいつ。

正直思ったことはそれだった。

でもなぜか、断って放っておくことできなかった。


おれは、すっと空の隣に腰掛けた。





「…あのね…

私が小学3年生のときに、お父さんがしんでさ。

病気だったし、長くないことはわかってたんだけどね。

それでも、お父さんが残してくれた手紙があって、そのおかげでここまで頑張れたんだ。


そしたらさ、この間、お母さんが男の人つれてきて、『この人との結婚をかんがえてる。』って。
それはよかったの。

お母さんは女手一つで今まで頑張ってくれたし。

その人も優しかった。



だけどね、お母さんは、『あの人が気にしたらあれだから、お父さんとのものは全部捨てなさい』って。

お父さんとの写真も、お父さんからもらったものも、…お父さんからの手紙も。



…っそんなのやだよっ
手紙もってたっていいじゃない。
捨てたくないって言ったら、わがままなのかなぁ?」