「そんなの理解できない。軒はこれから研究所に縛られて生きていくの?それでいいの?」
「……よくはねぇよ。けど、研究はやめられない。研究所は俺のいるべき場所だから。」
「たしかに軒は研究所にとってすごく大切だと思うよ?でもさ…。。」
彼女は言葉を詰まらせ、うつむく。
彼は悲しそうな表情を浮かべながら、彼女の横顔を見つめる。
「そしたら私と軒は、もう一生会えなくなるってことでしょ?」
彼女の瞳に涙が浮かぶ。
彼の脈が大きく波打つ。
わかっていた事実。受け入れなければならない事実。それはあと何ヵ月かで、迎えること。それなのに、未だに彼の中では心の整理ができていなかった。
