研究材料となる人間は、いたって目立たない一般人。 記憶を取り消す装置をつかい、関わった回りの人間の記憶を消す。 関わっている人間が少なければ少ないほど、好都合なことはない。 死刑囚になった人間、終身刑になった人間、自殺を計ろうと目論む人間、材料となりそうな人間は多々いたが一人だけ研究材料とするには不適当な人間がいた。 神埼真央。24歳。会社員。 関わってきた人間は数多く、また記憶を消した人間たちが記憶を戻すというリスクの中で彼女の誘拐は遂行された。