「ああ、そうだ。」
情輝様がじっとこちらを見て言う。それにドキドキしながら、
「ど、どんな仕事ですか…?」
そう聞いた。
「………私の傍に一日中いて、私の補佐をする……という仕事だ……。」
情輝様は面倒くさそうに言葉を紡いだ。
「えっ?!それだけっ?!!」
思わず言ってしまい、慌てて口を閉じた。そして、恐る恐る丁寧な言葉に言い直して同じことを言った。
「そ、それだけ……でしょうか?」
「…それだけだ。」
情輝様は挽回させる気は無いというように、ハッキリとしっかりと言った。
「……文句があるなら…辞めてもいいかが…?」
そういった情輝様の瞳が翳りを帯びた気がして、僕は慌てて、
「いえ、やりますやります!!やらせてくださいっ!!」
大声で叫んだ。五月蝿かったのだろう。情輝様は少し顔をしかめたあと、フワッと笑って、
「ではよろしく頼む。」
と言ってくれたので、
「はいっ!」
と出来るだけ誠意がこもるように元気よく返事をした。