足りないものを補える場所…。


「うむ、戻っていいぞ、ご苦労。」
ふぅ、と情輝様が煙管から口を離して言った。煙が開いた窓から吸い込まれるように消えていく。
怒音さんはすっ、とお辞儀をして部屋を出ていった。パタンッ、と音がして僕らは2人きりになった。

………うわっ!なんでそんなこと思っちゃったんだろ!余計に緊張してきた!!
情輝様になにも言われないので汗がダラダラとただただ流れていく。

…15分ぐらい過ぎただろうか?不意に情輝様が口を開いた。
「君をここに呼んだのは、執事としての初仕事をしてもらうためだ。」
ふぅ、と息を吐いてから情輝様が煙管をおいて、こちらを振り返った。
「初…仕事…!!」
僕はどんな仕事をするのかという興奮半分、僕にきちんとこなせるかという不安半分でその言葉を繰り返した。