あくまでも僕的には身だしなみを整えて、怒音さんについて行った。
着いた場所は、情輝様と契約を交わした場所だった。僕が"情輝様を信じさせる”と誓った場所…。
自然と体に緊張が走り、背中がピシッと伸びる。怒音さんに顔で『入れ。』と指示されたので扉を開けた。
ふわりと花の甘い香りと煙草の匂いが鼻をつく。大きな南向きの硝子窓から煌めく太陽の光が射し込んでいる。その目の前には大きな机とフカフカしたワイン色の回転椅子。そこに座っているのは当然情輝様。横向きで煙草を吸っている。その姿は美しかった。一瞬で目を奪われる悪魔的な魅力。それは太陽の光のせい?それとも…
そんなことを黙々と考えていると、ドカッと怒音さんに足を蹴られた。ちらっと振りかえると、怒音さんがギロリと睨んでいた。ひぃっ!!
「情輝様、優輝君を連れてきました。」
と、さっきの俺に対しての睨みを少しも感じさせず、怒音さんは告げたのであった。


