足りないものを補える場所…。


「優輝さん、情輝様は綺麗好きなんですよ?お風呂入らないで行く気ですか?洋服も昨日のままで?嫌われますよ?」
怒音さんが顔をしかめて言った。
「え、お風呂入らせてくれるんですか?」
「当たり前です。そんな臭いで彷徨かれたら困ります。」
と、さらに顔をしかめていった。
「は、はい。え、と。服とってきま…はっ!」
そこで気付いた。服が入っているケースは部屋の中で、部屋の中にはあの方がいて…!怒音さんのほうを向くとニヤリとしている。ううっ!!
「なーんて、冗談です。洋服は用意してありますよ、君は執事としてこの屋敷にお迎えしたんですから。制服があります。」
こっちに来てください。と、怒音さんは僕を手招きした。いや、でもあの顔はマジだった。うん。

そういえば、僕はここに『お客』じゃなくて、『執事』という使用人として雇われたんだ。居場所がない僕を。