って、もともとの用事を忘れるとこだった。
「サンドイッチは…」
サンドイッチは部屋の扉の隣にある小さな猫脚テーブルのうえにあった。お昼頃に情輝様が使っていたようなものだ。深みのある焦げ茶がオレンジ色の光に照らされている。そこに、冷たい紅茶と一緒にサンドイッチが置かれていた。
象牙で、持ち手が金色のトレイを持っていこうとした。すると、隣に蝋燭とマッチがあるのがみえた。蝋燭は、下に持ち手付きの金色のお皿で使ってなく、真新しいようだ。何に使うんだろう?ふと気になって、マッチの中身も確かめてみる。箱の中にはマッチが3本。たった3本。されど3本?…何言ってんだ僕は。

「ま、いいや。夜食だけ貰っておこう。」
置いたトレイをまた持って、部屋に戻った。…トレイ持ってて両手がふさがってる。はぁ…。僕はトレイをまたおいて、扉を開けてからトレイを再び持ち中に入った。