「な、なんで僕が!情輝さんなんか知りませんよ?」
「なんで…ですか?そうですね。…優輝さんの両親が死に、1人になって、困っていたからです…。……余計なお世話ですか?」
怒音さんは、さっきと違い静かに言った。
「…あ、あの、そうじゃないですけど、」
「そうですか!では、5月10日の2時30分に蒼薔薇城で待ってます。」
そう言って、怒音さんは電話を切ろうとした。
「ま、待ってください!」
慌てて止めると、
「はい?」
「どこですか?蒼薔薇城って?」
「ファックスで送りますから、あっ、言っときますけど、情輝様は、時間に厳しいですよ?では、失礼します。また、会えるのを楽しみにしています。」
「あ、は、はい。失礼します。」
がチャリ…チン
それが運命の電話…


