「新人を部屋に連れていってくれ。」
情輝様がそう言うと、怒音さんは少し顔をしかめた。?気がしたんだけど、勘違い?
「分かりました。こっちです、」
怒音さんはこちらを向いて怖いほどにニッコリと笑った。えーと、ついていけばいいんだよね?こ、怖いなぁ…。

僕は怒音さんに案内されるがままついて行った。沈黙が降りているので、少し気まずくなって、周りを見渡すことにした。

"蒼薔薇城”は、純白の壁に金色の尖った屋根が特徴的。真ん中の塔には、大きなギリシャ文字の時計が飾られている。どこからか(多分下の地面からだと思うけど、)蔦が生えていて、中世のヨーロッパを感じさせる外観。

あのバカデカイ大きな茶色…焦げ茶、いやもっと深くて温かみのある茶色をした扉がまた音もなく開き、大理石の大広間ぐらいの広さの玄関を通る。