少し、というかかなりイライラしながら情輝様の元へ向かう。勇那さんが開けてくれたのか、既に扉があいていた。何となくお菓子の重さが感じなくなっていた。
「どうぞ、お召し上がりください。」
カサカサとラッピングされたお菓子を袋からだして情輝様の前に出す。すると、急に
キラッと情輝様の瞳が輝きはじめる。子供がオモチャをもらって喜んでいる姿のようだ。見ているこちらも微笑ましくなってしまう。

まず情輝様はシュークリームを手に取った。パクッと小さな口を大きく開いて食べ始める。中にはカスタードと生クリームがはいっているようで、情輝様の口の周りに生クリームがつく。情輝様は全く気にならないのか、それとも気づかないのか、パクパクと加速して食べ続ける。
勇那さんもいないみたいだし…、この生クリームは誰が拭くんだろう…。

キョロキョロ…誰も見てないことを確認して、置いてあったナプキンをとる。身を乗り出して、フキフキ。情輝様の生クリームを拭き取る。情輝様は一瞬びっくりと驚いてから、なすがままにされていた。