ーコンコン。
「1年2組の立向居優輝です。失礼します。」
ガラガラガラと職員室のトビラを開けると、ハッと先生方が僕に注目した。
一瞬張り詰めた空気になったが、その後ふわっと柔らかい空気になった。
「優輝さん!大丈夫だったの?」
「は、はい。」
先生も分かっているのだろうか。僕の担任の笠松安希先生が代表として?聞いてくれた。
「そう、良かったわ。今日は…」
安希先生が悲しそうな顔をした。
「はい、学校を退学します。」
先生方は本当にそんなことになると思っていなかったのか、驚いたあと、
「そうなの…保護者は…いえ、貴方は一人で出来るわよね。じゃあ、一緒に職員室へ行きましょう。」
「…っはい。」
びくんっとしてしまった。保護者…危うく涙が出るところだった。堪えて堪えて…。
僕は一歩を踏み出すんだ。