プルルルルルル……プルルルルルル
僕がちょうどバタンと扉を閉めて帰ってきた時だった。
僕は、両親が亡くなってから、家に一人で住んでいた。少し大家さんや、近所の人に助けてもらいながら…
だけど、それも追いつかなくなり、両親の貯金も底をつきそうになって、生活に困っていた頃。
ちょうどかかってきた電話。僕は、恐る恐る受話器をとった。
「もしもし…」
そう言って、電話にでると、
「立向居 優輝【たちむかい ゆうき】さんですか?」
そう聞いてきた。
「はいそうですけど…どなた様ですか?」
「わたくし、心癒家にお仕えする、怒音
【イオン】と申します。」
「は、はい?」
僕はびっくりした。お仕えする?どういう意味だ?


