足りないものを補える場所…。


ただ、僕の脳内では、疑問の方が勝った。
「何故、人間の本性なんていうんですか?」僕は既に疑問を口に出していた。
情輝様は少し驚いたように大きな瞳をさらに見開いたあと、パイプを口から離して、
言葉を紡いだ。
「人間の本性とは、憎しみや憎悪。相手への恨み妬み。所詮そんなものでできているのだよ。だから、平気で人を裏切る。だから人間は信じられんのだ。」
そういった情輝様の瞳には、深い憎悪や憎しみ、悲しみを抱いていた。
「人間は信じられませんか?自分も?」
「……ああ。自分も…。自分の心の気持ちも信じられない。何を考えているのかさえ……」

信じられない…そんな言葉が悲しかった。
容姿は10歳ほどで幼いのに、中身の方は苦しくて悲しくて憎しみとか憎悪とかを長年抱き続けていた、老女に見える。
僕の場合は、両親が死んでからは孤独で、
そのうち学校にもお金が足りず居られなくなりそうになって、友達はそれを心配してくれる。ある意味、大人以外は信じられる唯一の人達だった。