カツ…
雨はもうすぐあがる様だった。
ファックスで届いた地図を片手に僕は進む。

「そろそろのはずなんだけど…」
僕はキョロキョロと周りを見渡した。
地図をもう一度見ると、1つ曲がる角を間違えていたのに気がついた。
あーあ、馬鹿なことした…。
ため息をついてから、僕は来た道を戻る。

約束の時間は2時30分。
只今2時06分。あと、24分しかない。
少しはや歩き気味に、だけど水溜まりで転ばないように注意しながら歩く。

意識がとばないようにしながら、僕は、今から目指す場所からかかってきた電話のやり取りを、ボンヤリと思い出していた。