閉店となりお客様が帰られた後の店内。


「春〜!どうして私もだったのぉ!?」

すごい剣幕で春奈に詰め寄る夏実。

「えっ?何の話し?」

何の事を言われているのかわからない春奈はハテナを浮かべた顔で夏実を見た。

「何の話し?じゃないわよ!!あの新規のお客様!何で私だったのよ?結局一言も話さなかったわよ!!」

「えぇぇー!?夏実でもダメだったの?夏実なら大丈夫だと思ったのに.....」

「どうして私なら大丈夫なのよ?無理よ無理!!まぁ二度と来ないとは思うけど、あんなんだったら飲みに来なければいいのに」

夏実の剣幕に圧倒された春奈。
たしかに話したくないなら来なければいいのにと思う事はある。
でも来る来ないはお客様の自由だ。
楽しませられないのは私達スタッフの力不足....

「夏実ごめんね。私は夏実の力を信じてるから夏実にお願いしたの。夏実でダメだったならたぶん他の子が座ってもダメだったと思う。本当にありがとう」

「春奈にそう言われると怒れなくなっちゃうじゃない!もぉ疲れちゃった。早く帰ろう?」

他の女の子はすでに帰った後だった為、片付けを黒服に任せて帰った。