「......ちゃん。春ちゃん!」

「あ、はい!」


やだ.....
ボーっとしてた。
せっかく近藤来てくれてるのに。
しっかりしなきゃ!


「春ちゃんどうしたの?珍しいね?なんか考え事?」

「えっ?いや、ごめんなさい。せっかく近藤さん来てくれてるのに....」


なんかまともに目見れない。
こないだキスされたからやっぱり意識しちゃう。

「もしかしてこないだのキス気にしてる?」

「えっ?」

顔に出てたかなぁ。

「気まずいですって顔に書いてあるよ」

「そ、そんなことは.....」

やっぱり私ってすぐに顔に出ちゃうんだ。
気を付けなきゃ。


「じゃあ逆に僕の事意識してくれてる?前も言ったよね?僕も男だって」


えっ?
どういう意味?


「春ちゃんには直球じゃないと伝わらないみたいだね。こないだのキスは春ちゃんだからしたんだよ。春ちゃんにしたかったんだ」


そ、それって.....?


「僕は春ちゃんの事が好きだよ。一人の男としてね。じゃなかったらプレゼントなんてしないよ」

ネックレスを触りながら目を見つめてくる。

近藤さんが私を好き?
好きだからこのネックレスも私にくれたの?


「.......」


「はぁ〜。やっぱり気付いてなかったみたいだね。僕本気だから考えといてね。もう少し一緒にいたいけど明日からまた出張なんだ。だから今日は帰るよ」


「.....はい」


ど、ど、ど、どうしよう!?
考えてって言われたけど.....



とりあえずお見送りに出よう。


「「「いらっしゃいませ」」」


歩きながら扉の方へ顔を向ける。


ドキンッ。

和哉さんだ。

姿が見えただけでドキドキする。
どうしよう。


グイッ。


えっ?


近藤さんに腕を掴まれた。


なに?


「春ちゃん。僕も嫉妬くらいするんだよ。そんな目で他の男を見ないでほしいな。さっきの事ちゃんと考えておいて」


そう告げると近藤は帰って行った。