ひとりじゃない

右目の視界が、急にぼやけた。

「あ……すみません」

先輩の涙だった。

その時、わたしはやっとわかった。

自分のしたことの意味を。

百合子への謝罪のつもりだったんだ。

命を奪ったなら、命を差し出すしかないと。

忘れるわけもない、二年前のこの頃……