ひとりじゃない

先輩はゆっくりと腕を解いた。

先輩の顔は、わたしの上30センチくらいのところにあった。

「こんな馬鹿な僕には……ゆかりさんのそばにいる資格ありませんね」

そんなことない、全然ないです……!

わたしは全力で首を振った。

頭ががんがんした。

「ゆかりさん……」

先輩はわたしの名を呼んだ。

それから少しの間、沈黙が流れた。