啓太side


俺が、病室からでて歩いていると、
理人先輩が、こっちに向かって走ってきた。



「啓太!ちょっと待て!」


「どうしたんすか。」



「彩のこと、どう思う?
あいつ、もう 体ボロボロなんだ。

なのに、なのに・・・・・

あいつは・・・・・俺らの前で涙を見せたことがない。」



「えっ・・・・?」


彩、お前どんだけ お人好しなんだよ。
余命宣告されてんのに・・・・



なんで、そんなに つよいんだよ。




「啓太。お願いだ。 彩の そばにいてくれ。 あいつは、倒れた時 啓太の名前ずっと言ってたらしいんだ。




もう、お前だけなんだよ。」

と 言うと 理人先輩は 座り込んだ


俺は、理人先輩の肩に手をおいて

「分かりました。
じゃあ、もう一回 病室に戻りますんで」




たぶん、あいつは今 泣いてるだろう。









「彩!! 入るぞ!」


中から 鼻声の愛しい人の声が聞こえた。





「えっ!? けっ、啓太!?

えっ!?まって!!」


ほら、泣いてたんだろ


俺が、そばに居てやるよ。





まっとけ