結局私は少し遅れてしまった。
遅れた私は自分のクラスの列の一番後ろについた。
朝礼が始まって少しすると、『ふぅー』と後ろで小さなため息が聞こえた。
小さく振り返ると後ろで陽菜が疲れきった顔をしていた。
どうやら今の今まで説教をされてたらしい。

長ーい長ーい校長先生の話中、話に飽きてきてしまった私は、一人で顔を動かしていた。
ふと先輩たちの並ぶ列に目をやると、
落合先輩が小さく振り返ってきて目があった。
きっと、私の一人変顔を見ていたんだろう。
ニヤニヤと笑いながら、
前を向け、と笑いながら前を指さした。
その仕草が私には可愛くも見え、かっこよくも見えた。

朝礼が終わり、ホームルームが終わり、早めの下校の時間となった。
陽菜はそのままテニス部の活動があるらしく部活へ行ってしまった。
帰り道、一人で歩きながら、
『あれ、落合先輩、後で少し話したいって言ってたけどいつ話すんだろ。』
そんなことを考えていた。

家に着き携帯を開くと一件のメールが入ってきた。
『今日時間ある?』
落合先輩からだった。
『あるよ。私、いつでも暇だから。』
『そっか(笑)それならよかった。じゃあ、夜会えないかな?』
夜か…落合先輩彼女いるのにいいのかな?
そう思いながらも、私自身久しぶりに話たいって気持ちがあったから、
『いいよ』
そう送ってすぐに
『やった。じゃあ七時に学校の裏の公園で。』
そう送られてきたメールを読んで時計を確認すると、七時まであと十五分程度しかなかった。

携帯を閉じて、少し急ぎ足で学校の裏へと向かった。