二年に入って少したった五月。
私に彼氏ができた。
三浦雅人。同じ学年のサッカー部。
小学校から一緒でまさか付き合うことになるなんて思ってもなかった。
顔が飛び抜けてカッコイイわけでもなければ、
飛び抜けて勉強ができるわけでもない。
ただ、女子からの人気はあった。
一年の終わりぐらいから連絡を取り始めた私と雅人。
初めは『今日なんか先生イラついてて八つ当たりされたんだよね。』とか
『俺、部活中転んでマジ恥ずかしかったんだよね』とか、ありきたりな会話をしてた。

だけど、二年に入ってから雅人との会話の内容が少し変わった。
『湊は好きな人とかいるの?』
『湊ってあいつとよく話してるよな』
そんな感じの話をすることが増えた。

始めは雅人もそういう年頃なのかなと軽く考えていた。
だけどいつものように雅人と連絡を取ってると急に雅人の雰囲気が変わった。

『湊は俺のこと嫌い?』

どちらかというとシャイな雅人が今までこんなこと聞いてくることなんてなかった。

『嫌いじゃない。』

それだけ返信すると雅人からの返信はすぐに来た。

『じゃあ、俺と付き合って。湊のことちゃんと好きだから。』

まさかの展開ではあったけど、私は雅人の告白を受けることにした。


それから二人で会ったり、手繋いだり、
喋ったりした。
雅人の見たことない一面見つけたり、
普段はしないような話したり、
時間がすごく短く感じた。

でも、まぁ、そんな日々も長くは続かなかったけど。
一か月もたたないうちに私と雅人は別れた。

原因は…なんだろ、ハッキリしないけど、
もうダメだなってお互いが感じたんだと思う。

別れたとき陽菜は
『ホントに良かったの??』と聞いてきたけど、
『うん、良かったんだよ』私がそう答えると陽菜はそれ以降雅人の話はしなくなった。

それもきっと陽菜の優しさなんだろう。
それからいつも以上にベッタリと私にくっついていたのもきっと陽菜の優しさなんだ。