心の隙間。

私はちょっと舞い上がり過ぎただろうか?
待ち合わせの時間より十分も早く公園についてしまった。
落合先輩を待ってる時間はなんだかすごく長く感じた。
ベンチに座っているのが落ち着かなかった私は一人でブランコの方へ行った。

二つ並んだ夜のブランコはなんか寂しく見えて意味もなく私を悲しい気持ちにさせた。
手前にあったブランコに腰を下ろした。
誰もいない夜の公園にはキィキィとブランコの音が響いた。
私以外には誰もいない。
私は急に誰もいない公園に自分一人でいることが怖くなった。
『落合先輩…』聞こえるか聞こえないか、
風に流されてしまいそうな声で呟いた。

『はい。なに?』
『え……?』
いつもと同じ優しい柔らかい笑顔で笑う落合先輩が私の前に立っていた。
『え?じゃないよ(笑)呼んだでしょ?俺のこと』
驚いた。呼んだら来るなんて漫画みたいじゃん。
誰もいない夜の公園。さっきまですごく寒くて、冷たくて、怖かったのに、
落合先輩。あなたが来ただけでこんなにも暖かく感じる。
『会いたかった。』
そう言って泣き出した私の
『えぇ?どうして泣くの?俺、なんかしちゃったかなぁ?』
と言いながら落合先輩は優しくなでた。
私の頭を撫でているあの手が愛おしくて、
優しさが暖かすぎて、私の涙は止まらなくなってしまった。
『ぅ……』
泣き止まない私にさすがに困ったのか、
落合先輩はため息をついた。
焦って顔をあげた私の視界は何故か真っ暗だった。
落合先輩が私を抱きしめているからだった。
『夜の公園に女の子一人は怖かったかな…
次からはもう少し明るいところから一緒に来ようね。はい。泣かない泣かない』
意味もわからず泣いている私をうざがることなく、むしろいつも以上に優しくしてくれる落合先輩が、
好きで好きでたまらないんだとこのとき気づいた。