陸の母親が三人を呼びながら走ってきた
顔は青ざめて、額には汗が浮いている
震える腕で三人を抱きしめると
荒い息で「あぁ良かったまだ無事だった」と安堵したように言った
「どうしたの陸のお母さん」
三人とも彼女が慌てているのを見たことがない
一体どうしたというのだろうか
陸の母親は瑠璃と陸と蓮をそれぞれじっと見つめると、深く息をついてもう一度ぎゅっと抱きしめた
これが最後の抱擁になるかもしれないと思いながら
「お母さんもしかしてもう来ちゃったの?」
ハッとして陸がそう尋ねると
「そう、もう来ちゃったの」
困ったように彼女は微笑んだ
けれどぐっと拳を握りしめ
「でも、守るわ」
頑とした決意でそう言った
けれどぐっと彼女の服の裾を引っ張る
小さな手があった
「大丈夫だよ」
「瑠璃ちゃん...」
「私たちが守ってあげる」
にっこりと笑う瑠璃と蓮
我が子である陸も大きく頷いた
彼らのそれぞれの手のうえには、小さな、風の渦、あかい炎、丸めの水が現れた
「いつの間にそんなに上手に操れるようになったの、すごいじゃない」
陸の母親は三人を誇りに、そして同時に、
それらを見て切なく思った
「よし、それじゃあ行きましょうか」
