「お堅いなぁ、地味子ちゃんは~」



軽そうなイケメンさんはそう言って、何故かまた此方に近づいてきた。
私はエレベーターの端に避けたから、近づいてきたイケメンさんを避けることが出来なかった。



近い!
本当に、口が付きそう!!



「ねぇ、俺のことちゃーんと見て?」



「近い!…です!」



「ほらほーら~」



ニヤニヤしながら見つめるその瞳は、私からみたら少し悲しげにも見えた。



け、れ、ど!!



「あははは~!本当に地味子ちゃん、からかいがいがあるね~」



この人、私は苦手だ…



元々人は苦手だけど、人のことをからかう人は一番関わりたくなかった。



昔…からかわれていた頃があったから。
地味女ってね。



「あ、俺の名前教えてあげる♪俺は…」



ピンポーンっと、エレベーターが開く音が鳴り、開くとそこには私服を着た女の子達が大量に向かってきた。



しかも、皆さん、軽そうなイケメンさんに向かって抱きついていたりべたべた触っていたりしている。



なんだぁ、これは…?



とりあえずこのイケメンと離れるチャンス!
私はすぐにエレベーターから出て、走り抜けた。



なんかエレベーターの奥から軽そうなイケメンさんの声が聞こえたが、無視します。