失いたくないから愛せない


安藤くんは小さく頷いて私の隣の席へ座った。



安藤くんは先生の言うとおり、俯き加減で全く元気がない。

転校で緊張してるのかな?って思って、顔を覗いた。


「大丈夫?」


私の言葉に安藤くんは特に反応することも無かった。


そんな時、


近くの席の女の子からこんな声が聞こえてきた。


「安藤くん。かっこいいね」

「うんうん。かっこいい」


確かに安藤くんは、言わば美少年だった。


目が大きくて鼻も高く顎もシュッとしてて、どちらかと言えば、かっこいいけど、女子のような顔立ちで小柄な体型だった。


だが、その美少年には似つかわしくない程の暗い雰囲気を漂わせている。