「帰んねーの?」

友亮がそんな俺に不思議な顔をした。


「勝手に帰れよ。彼女が待ってんだろ?」

友亮に八つ当たりだ。


「なんだよー。どした?」

「なんでもねぇよ…」

「あ、お前またー」

「うるせえ。ほっとけ」


友亮はまた加奈子の席を見て、気付いたみたいだった。


「ったく、しょうがねーやつ」

友亮が呆れたように息を吐いて、


「中森ー」


加奈子の友人の中森に声を掛けた。