失いたくないから愛せない


「加奈子ちゃんの好きな人って、もしかして…あいつ?」

「え?」

校門を出た辺りで、小林くんに聞かれて動揺した。





こうして、小林くんと帰ってても、浮かんでくるのは、廣祐の顔。


最後の悲しそうな顔が出てくる。



「安藤廣祐。クラス一、いや学年一のモテ男」


小林くんの言葉に顔が固まる。


小林くんもさっきまでの優しい表情から怪訝な顔になる。


「加奈子ちゃんも、あんなチャラいやつが好きなの?あいつ、色んな噂あるんだよ?」


小林くんの表情が冷たい。



チャラいやつか…


そんなこと分かってる。



でも、あたしは…


「俺の方があいつより全然いいと思うけど?」

「……」

「なんであんなやつがモテんだろ?」


小林くんの声がどんどん冷たくなる。




下を向く私。



私は、廣祐が好きだもん…


誰になんと言われようと…