失いたくないから愛せない


一瞬、小林くんは私と廣祐を見て驚いた顔をした。


でも小林くんは、すぐに笑顔になった。


「加奈子ちゃん、よかったまだ居て。せっかくだから、一緒に帰らない?」


小林くんは、廣祐を視界に入れない感じで私だけを見てくる。


廣祐の顔は怖くて見れなかった。

異様な空気を廣祐が出していたから…。


「うん…いいよ」

小林くんに頷いた。


すると、廣祐はきっと私にだけ聞こえてくるような低い声で、


「やっぱ…そういうことかよ…」


っと言って、席からバックを取って、後ろのドアから先に教室を出て行った。




「加奈子ちゃん?」

小林くんに呼ばれるまで、そんな廣祐の背中をじっと見つめていた。