失いたくないから愛せない


そうこうしているうちに駅についた。


「落ち着けって!」

まだ恵の怒りは収まらないらしく、地団駄を踏んでいる。


「悔しいじゃん。ムカつく!」

「ブスって言われたもんなー」


ーバシッ!
俺が不適にも笑うと、恵から思いっきり背中を叩かれた。


「うるさい!どうせあたしは、ブスですよー。つか、真波よりは絶対可愛いもん!」


俺は、フッと笑みがこぼれた。

「お前、やっぱおもろいな」


「何よー。廣祐もムカつくっ!ヘタレのくせにー!」


俺がケラケラ笑うと、恵も少しずつ笑顔が戻ってきた。