失いたくないから愛せない



「び、びっくりした…廣祐、まだ帰ってなかったの?」


加奈子が戻ってきた。


冷静を装い、イヤフォンを外した。


「んーあー…友亮待ってる」


って、俺何言ってんだ?!


「友亮くん?」



「あいつ、職員室に来るよう先生に呼ばれたんだよ」


嘘しか言えない。


情けねー…


「あ、そっか…。友亮くんどうかしたの?」



「さー?」


「待ってるなんて優しいじゃん」


「当たり前じゃん」



バカだ。


俺は、バカだ…。