失いたくないから愛せない


「わりー。川瀬。今日、こいつと帰る約束してたから、って廣祐に伝えて来てくれねーか?」


友亮くんが彼女を指差しながら、私に言ってきた。



「え!?」

私が戸惑っていると、

「え?メールすれば早くない?」


彼女が友亮くんに言う。





そりゃそうだ。


「充電切れてんだよ。わりー川瀬。頼むわー」


友亮くんが罰が悪そうに頭を下げてきた。

「えーうそーだって、さっき電話してー」

「とにかく頼む!!」


友亮くんは彼女の言葉を遮って、もう一度頭を下げてきた。