しばらくして、廣祐が私から離れた。



「何泣いてんだよ?」

廣祐が私の顔を見て、意地悪を言う。


「じ、自分だって!顔赤いし、目真っ赤じゃん!」


「うるせー」


「もう何なの?ひどい」


「ひどいのは、加奈子の顔だろ?」


「はぁー?ムカつく」





私達は笑い合った。





まるで、昔にタイムスリップしたみたいだった。



廣祐が私の隣に座った。


意地悪を言いながらも、手をぎゅっと握ってきた。



ドキッとする心臓が持たない。




「なんか、信じらんねー」

「え?」


廣祐がフっと笑った。