失いたくないから愛せない


私は、小林くんを呼び出した。



さっきまで恵と話していた階段の踊り場にやってきた。


「加奈子ちゃん?」



私は、頭を思いっきり下げた。



突然の私の行動に小林くんは慌てている。



「私、やっぱり…小林くんとは仲良くなれないや」


「……」

「友亮くんとの喧嘩の原因って、私と廣祐のことでしょ?」

「……」


小林くんは、怪訝な顔をして黙って聞いている。



「小林くんは、私のこと本当は…」

「好きじゃない」


小林くんが口をようやく開いた。


冷たい声だった。