失いたくないから愛せない


私が急に泣き出したから、倉田さんは驚いている。



でも、涙が後からあとから溢れ出てくる。



「私も同じだから廣祐と…」


「え?」

「小林くんが、本当は私を好きじゃないこと…分かってる…」




そう。




分かってた。





小林くんの告白は、本気じゃないこと。





千英も小林くんと同じ中学だったから、告白された翌日、千英から小林くんのこと色々話を聞いていた。





でも、それでも仲良くしていたのは…







「廣祐に、意識してもらいたくて…。私が小林くんと仲良くしてたら…少しでも…気にしてくれるかなって…」



「川瀬さん…」


「私も廣祐も…間違ってばっか…」



私は、自分のやっていたことに後悔が過る。


小林くんを利用した。


彼の嘘だとしても、その好意を利用した。