失いたくないから愛せない


「倉田さんは?廣祐と?」

倉田さんは一瞬驚いた顔をしたが、すぐにフっと笑った。


「あたしは元カノよ。もちろん今はなんとも思ってない。あいつにはずーっと想ってる人がいるからフラれたの」


「え?」




ずっと想ってる人…?



私は、心にズキっと痛みが走った。



そんな私の様子と裏腹に、倉田さんはニヤニヤしている。


「ちなみにその子もどうやら廣祐のことが好きみたいなのよねー」



え?



さらにズキっと痛みが走る。




「なんかねー中学の頃、いじめから救ってくれたんだって、その子。それからずっと仲良かったんだけど、その子の為に同じ高校に入って今も同じクラスなのに、今じゃまともに話せないって」









え?



え?え?



え?



それって…


私の…こと?




戸惑う私を尻目に倉田さんは、優しい笑顔になった。



「川瀬さん。廣祐…川瀬さんのことずっと待ってるよ」


「……」



私は、頭が真っ白になった。