失いたくないから愛せない


「おはよー!安藤くん!」

「久しぶりじゃん!」

「おはー安藤!」

教室に入った瞬間、みんなの視線を集めた。


「ウィース!廣祐!」

友亮も窓際の奥の席からニコニコと手を振ってくる。


恥ずかしいやつめ…。


と思いつつ、やっぱり久々の登校は嬉しかった。



そして…

そんな友亮から視線の先を変えた。






加奈子は、いつもと変わりなく中森と話しているようだった。


だが、当然のように俺が登校して来たことに気づいた。


周りがこれだけ騒げば当たり前か…


と思った矢先、



加奈子と目が合った。