失いたくないから愛せない


「!?」

廣祐が私に気づいて、イヤフォンを取った。


「び、びっくりした…廣祐、まだ帰ってなかったの?」


「んーあー…友亮待ってる」


「友亮くん?」


「あいつ、職員室に来るよう先生に呼ばれたんだよ」


「あ、そっか…。友亮くんどうかしたの?」


「さー?」


「待ってるなんて優しいじゃん」


「当たり前じゃん」

「……」

フッと笑った廣祐にドキッとしてしまった。